ストロベリー革命

 一応教室の前まで来たが、入るに入れない。

「……どうしよう!」

 寝坊して遅刻する生徒など、この学園にいてはならない。

 教室の中に入った時の皆の冷たい態度が目に見えているので、天花の足は寸前で止まる。

「これはもしかして大ピンチッ!?」

 もしかしなくても大ピンチなのだ。

「ええいっ!! こんな時はサボっちゃえ!」

 天花は潔く教室の前から去って行った。

 サボると言っても学園内を把握していない田舎娘は、どこでサボればいいのかわからない。

 とりあえず校舎から出た。

 行くあてもなく学園の周りを歩いていると、目の前に小さな畑が見えた。

 見覚えのある懐かしい土の色。緑の草。

「わあ―――!! 学校にも畑ってあるんだねー。うーん、でもちょっと肥料やりすぎだなー。水もこんなにあげたら育たないんだよ」

 田舎に帰ったように土を触っていたら、ある一つのアイデアが浮かんできた。

 それは天花にとってとても楽しい事。