ストロベリー革命

 部屋の中で楽器を演奏するより、外を駆け回るほうが好き。

 おひとやかに笑うより、腹から笑ったほうが気持ちいい。

 綺麗な洋服を着るより、体操服で泥んこになるまで遊びたい。

 天花はお嬢様や女の子から遠くかけ離れている。

 長年の田舎っ子魂も染み込んでいるので、大人しくしていろと言われても無理なのだ。

「あたしは直みたいにお上品にしてられないから、母ちゃんの願いは多分叶えてあげられないねー」

 白い歯を出して笑い、無邪気に言う天花。

「そんな事ないよ。天花はそのままでいいと思う」

「やっぱりー?」

 ふふふ、と口を手で押さえて悪戯っ子のように笑った。



 辺りを見渡すと、直が手伝ってくれたおかげで結構荷物は片付いて、綺麗になっている。

 さっきまで足の踏み場がなく、ワケのわからないものが散らかっていた部屋が嘘のようだ。

 天花の荷物はくま吉をはじめ、変なものが多く、ほとんどが生活していく上で必要ない。