「そっかぁー。けどあたしはいつでも直の味方だからね! あたしに何でも言うんだよー! 直にそこまで想われてる子は幸せ者だよねー」

(いや、それ……あんたなんですけど)

 小心者で素直じゃない直は、絶好の告白チャンスをものにすることが出来ずにいた。

 心の中だけで突っ込みをいれる。

「はぁー……。天花はホントに好きな人いないの?」

「好きな人ー? うーんとねー、家族でしょー、ゆかりも好きだし怜華もステファニーも好き。でも直は特別だからもっと好き」

 直の心臓はひっくり返って一回転した。飛び出しそうにもなった。

(まっ、真に受けちゃダメだ! こいつは意味わかってないんだから!)

 鈍感な天花は何も考えずに言っているが、直は顔から火が出るほど恥ずかしい。

 それでも嬉しいというのが本音である。

「お、俺も天花のこと…………特別、かも」

 直は恥ずかしくて顔を上げられない。

「ホント!? あたし達も相思相愛ってヤツだねー」