ストロベリー革命

「……贅沢な奴。俺、お前の事嫌い」

「な、直っ!?」

 天花は直の失言をどうフォローしていいかわからず、しどろもどろになっている。

 あわあわとどうすればいいか考えるが、直は天花達を残し、一人で帰って行った。

「さっきまで一人称“私”じゃなかった? あの子本当に女?」

「どどっ、どこからどう見ても可愛い女の子っすよー! 直は最近、そのー……反抗期で“俺”なんて男言葉使ってしまうみたいなんですー! それじゃっ!! 直はあの通りとっても可愛いオンナノコだからねっ」

 誤魔化しきれていないが、天花はなんとか言い訳を並べて、直のあとを追いかけた。

「待ってよー!」

 全速力で走ったおかげですぐに追いつき、直の足をストップさせる。

「他校の人の前でも“俺”はダメだよー。あたし嘘が下手だから誤魔化しきれてないかもしんない」

「ごめん。だってあいつ等見てると、答えはそこに見えてるのに、動こうとしなくて嫌でも腹が立つ……」