ストロベリー革命

「て、天花っ!!」

「ん? なぁーに?」

「あのっ、俺……」

「あっ! 誰か出て来た!!」

 いいところで天花は直の言葉を遮る。場の空気を全然読めていないのだ。

 天花が玄関の入り口を指差すので直も見てみると、学年は不明だが、一人の男子生徒が出て来た。

 伸一と同じ系統の綺麗な美少年なのに、あの胡散臭さがまったく感じられない。

「……アレだよ。あの人が彼氏だよ! 絶対あの人!!」

「うっそー!? あたし達ついてるね!」

 その男子生徒こそ直が目撃した怜華の彼氏らしき人だった。

 まだ授業中だというのに、彼は鞄を持って帰ろうとしている。

「すいませーんっ!! ちょっとお話いいですかー?」

 危ないキャッチセールスのような声のかけ方をして、天花はその彼に近づく。

 あとから直もついて行った。

「誰? 隣の女子校?」

「はい、あたし怜華の友達っす。そんでもってこっちの直も」

「ど、どーも……」