ストロベリー革命

「出て来るまでどうすんの? 思わず授業サボっちゃったけど、……俺の好感度が下がるー!!」

 直は校門に寄り掛かって天花に聞いた。

 好感度が下がると言っているが、今から行こうと言い出したのは直なのだ。

「下がっちゃダメなのー?」

「だって今まで完璧を貫いてきたんだぞ! 卒業するまで完璧でいたかった……」

 これは完璧なお嬢様を貫いてきたかすかなプライドである。

「大丈夫っ!! 完璧じゃなくたって生きていけるから!」

「そんなのわかってるよ! ……ご、ごめん。俺が行こうって言ったのに」

 直の表情はだんだんと曇ってきた。

 恋に悩み、その相手はアホなくせに優しいが、全然気持ちに気付いてくれないので、もどかしいにも程がある。

 自分でもどうしていいのかわからない。

 好きになったら迷惑をかけるのに、自分の気持ちに気付いてほしいし、勇気がないから伝える事も出来ない。

 はっきり言って直は、今のうじうじしている自分が大嫌いだった。