ストロベリー革命

 さっそく二人は隣にある姉妹校、茶山花男子校へ向かう。

 距離にして約五百メートル。

 今から五時間目の授業が始まるというにもかかわらず、それどころじゃない! と切羽詰まっているような表情で、男子校までの道のりを急いだ。

 直は何回か来た事があるけど、天花は男子校を見るのが初めてで、その大きさにただ驚く。

 校舎の大きさは女子校とあまり変わらないが、女子校とは違い、むさくるしさが校門付近から漂っているのだ。

「……俺こんな汚い所で絶対生活出来ない」

 男子校に着いて三分も経たないうちに、清潔感のある女子校に帰りたくなってきた。

「なんかくっさーい」

 天花は鼻を摘まんで、手でパタパタとその辺の空気を扇ぐ。

「ねぇー、直は怜華の彼氏さんの顔知ってるんでしょー?」

「まぁ、なんとなくはわかると思う。でも顔はわかっても、どこにいるかなんて知らないよ」

「じゃあここで待ち伏せしようよっ」

 授業が全て終わるまで最低でも二時間はかかる。