ストロベリー革命

「藤堂さんはそれでいいの?」

「私が決められる事じゃないから。でも好きでもない人と結婚なんてしたくないのが本音よね」

「両親に話してみたら?」

「聞いてくれるはずないもの。だから結婚するまでは本当に好きな人といたいと思うわ」

 相変わらず天花は話に加わる事が出来ず、二人が話すたびに顔を動かして表情を見ている。

「それ間違ってるんじゃない? だって昨日の相手は藤堂さんの事本当に好きなのに、あなたは好きでもない人と結婚するの?」

「そうね。私も間違ってると思うけど、どうする事も出来ないから。それじゃあ、いろいろありがとう。授業始まるから戻るわね。ごきげんよう」

 怜華は花壇を離れて校舎へ戻って行く。

 煮えきらない様子で直がその後ろ姿を見ていると、

「あ、あたしよくわかんないけど、怜華が幸せになる方法を選んでねっ!」

 今まで話に加われていなかった天花が言葉を発した。

 天花の言葉が怜華に届いていることを願う。