ストロベリー革命

 プリプリ怒っている天花を置いて、直は先に歩きだした。

 しかし行き当たりばったりで全然見つかる気配がしない。

 最初に食堂へ行って次に図書室、屋上、グランドと学園中を回ってみたが、どこにもいないのだ。

「なんでこんなに計画性がないの? もう昼休み終わるよー」

 怜華捜索に疲れた直は非常階段に腰をおろす。

 昼休み終了まであと十分。

「だってどこにいるのか全然わかんないんだもーん」

「授業が始まったら教室に戻って来るって」

「ダメっ!! 昼休み中に見つけ出すの!」

 こんな時には頑固な天花。

「……わかったよ」

 天花じゃなかったら絶対諦めて帰るが、なんせ直は天花に惚れている。

 こんなところで好感度を下げてはならない。

「あ、花壇に行ってみたら?」

「花壇ー? そうだね! 行ってみよー」

 直は自分でもナイスアイデアだと思っている。

(こんだけ探していないんだから、もうそこしか残ってないよ)