ストロベリー革命

「ええっ!? 俺も!? ……わ、私もなの?」

 思わず口を滑らせてしまったので言い直す。

「うん! だって直は目撃者なんでしょー」

「え、まぁ……そうだけど」

「じゃあ早く行くよー」

 直は天花に腕を引っ張られて、教室から連れ出された。

 目撃者のため強制連行である。

「ねー、見つけてどうすんの?」

 よくわからないのに天花に駆けずり回され、正直ちょっとめんどくさい。

 怜華はクラスメイトというだけで親しい友達ではないし、キスの一つや二つぐらい好きにさせてやれよ、と直の本心はこうだった。

(付き合ってんなら別にいいんじゃないの? 周りがうるさすぎ)

「見つけたらねー、その彼氏の事聞くのー。なんかとっても面白そうだと思わないー?」

(面白そうだからって理由で探しに行くのか……。なんて言うか――)

「単純バカって言うの? そういうの」

「あたし単純じゃないしバカでもないよー! んもー!! いっつもあたしをバカにしてー」