ストロベリー革命

 自分には関係ない事なのに、直の心臓はバクバク動いていた。

 周りの過剰な反応に対して怜華は冷めている。

「皆さん、教室に戻りなさい。ホームルームが始まりますよ」

 三組の担任が入り口の人混みをかき分けて、教室に入って来た。

「さあっ、早くしなさい」

 パチパチと二回手を叩くと、生徒の大群はみるみるうちにいなくなった。

 そんなこんなで本日は朝から大騒ぎである。



 年頃の子であれば、キスの一つや二つする事もあるだろう。

 しかしここは女子校であり、男子禁制の場所なのだ。

 女子しかいないこの学園では、人の色恋沙汰を聞くと、本人ではなく周りが騒ぐ。

 そして噂は勝手に広まり、事件にまで発展するというわけだ。

「天花さん、聞きまして? 怜華さんの事」

「ああーうん、聞いたよー」

 こちら天花のクラスでも話題はそれだった。

 噂好きのゆかりは、久しぶりにワクワクするような噂を聞いてテンションが上がっている。