ストロベリー革命

「そういう天花はどうなの?」

「あたしー? うーん……恋とかよくわかんない。普通の好きとどう違うの?」

「さぁ?」

 自分でもよく説明出来ないので、直はすっとぼけた。

「父ちゃんと母ちゃんはどうして結婚したんだろうねー。不思議だー」

 天花は眉間にしわを寄せ、本気で両親の結婚理由を考えた。

「どうしてって好きだから結婚したんじゃないの? そんな事もわかんないなんて天花ってバカだね」

「バカって言うなぁ! その“好き”がわかんないだけだもん! わかんないからあたし一生結婚しない」

 こうなったらやけくそである。

 天花は頬を膨らまし、その膨れっ面を直に向けてやった。

(どうせあたしは直みたいに成績良くないですよー。でも中の中くらいはあるかな? あってほしいなー)

「俺もよくわかんない。だって自分だけが好きって意味ないじゃん。相手も好きじゃないと意味ないよ……」

 そう話す直の顔はどこか悲し気だった。