ストロベリー革命

 ゴッチーン!! 予想外の回答に、直は頭の上に金だらいが落ちてきたかのような衝撃を受けた。

「……えっ、ぇえ?」

 自分の聞き間違いだったらまずいと、丁寧にもう一度聞き返す。

「だからー、やっちゃダメなの? どうしてダメなの?」

「いや、やっちゃダメってワケじゃないけど……俺、初めて見たから……」

 直がやったワケでもないのに、だんだんと赤くなっていく顔。

「ふーん。あたしやった事あるよー」

「ぇええええ゙っ!? だ、誰!? 相手誰っ!?」

 天花の申告がショックすぎた直は、さっきまで赤かった顔が、今は真っ青になっている。

 まさかこの鈍感田舎娘が、自分より先にファーストキスを済ませているとは誰が思うだろう。

「相手はねぇー…………、父ちゃん。って如何なる時も言いなさいって、母ちゃんに言われたー」

 それを聞いてホッと胸を撫でおろす。

 真実はとてもマヌケすぎて、さっきまでショックを受けていた自分がバカみたいだ。

(こいつ……ありえない)