「待って!」 玄関のドアノブに右手をかけたところでいきなり左手を捕まれた。 「これ、アドレスと携番」 「……」 「お願いだから、これで終わりにしないで」 しゅん、と怒られて耳を垂らした許しを乞う犬みたい。 「…とりあえず貰っとくね」 「連絡、して」 「…」 「お願い、だから」