「やってみるわ」


恵理夜は早速、鮮やかな黄色の弾を装填した。


「いくわよ」


そう言った顔は、不安と恐怖とそれにも勝る好奇心に充ちあふれていた。

思いの外幼くなったその顔を意外に思いながら春樹は耳を塞いだ。


――ぱぁん


軽やかな音。

そして鮮やかな黄色い火花が散った。

その光りははっきりと目に焼き付いた。


「火花まで出るの?」

「いえ、音だけのはずなんですが……」


恵理夜は、青い弾をいれてもう一度引き金を引いた。


――ぱぁん 今度は青い火花が散った。


灰も落ちない、微量の花火。

しかしだからこそ綺麗だった。


「すごい。すごいすごい」


恵理夜は手放しで喜んでいた。


「お父上様が改造された弾のようですね」


袋に入った弾をみると人の指紋がはっきりと残っていた。