「そうです」


春樹は震える恵理夜の手から箱を取り上げ、中身を握らせた。


「これは……」


恵理夜は手にした途端、あの重厚な感覚に堪えられるような構えた。

しかし、その銃はあっさりと手の中に収まった。

むしろ捕え所のない軽さに恵理夜の方が戸惑った。


「おもちゃ……?」

「その通りでございます」


その軽さはプラスチック故のものだった。


「銀玉鉄砲と呼ばれていたものでしょう」


ぱっと見ではわからないほどよく出来た銃だった。