そして、改めてビデオをカセットの入った引き出しを見下ろす。


「お嬢様、これは……」


改めて引き出しの中身を覗いた春樹が疑問の声を上げる。


「な、何よ」


思いのほか端正な顔が近くて、少し戸惑う。


「ビートルズじゃ、ありませんね」


確かによく見ると、最後にビートルズではないカセットが挟まっている。


「クイーン、ね。イギリスのハードロックバンドの」

「そしてやはり、最後の数字の『#』も気になりますよね」


気になるところの要点を紙に書いてまとめて行くが、すでにその紙は膨大な量になっていた。

ついに恵理夜は、その紙で折り紙を始めてしまった。