「お目覚め、ですか」


何時になく不機嫌そうな、春樹の顔があった。

そこは、両親の寝室のベッドだった。


「春樹、今日は休みじゃ……」

「えぇ、お休みをいただきました」

「休みなのに……」

「休みですから、遊びに」

「こんなところへ?」

「ええ、倒れているか蹲っているだろう貴女を見に」

「はい?」

「ですがまさか、倒れるところに出くわすとは思いませんでした。さすがお嬢様。いつだって予想を裏切ってくれますね」

「馬鹿にしてるでしょ」

「とんでもない」


春樹の眉間のしわが、恵理夜に移されていく。