誰かに引っ張られて課長から抜け出す
言わずもがなシズマサなんだけど……その、えっと


「シズマサ…まだ仕事中だから、抱き締めるのはその……ね…?」


「俺の。」

あれ?
聞いてくれないの?


シズマサは私を抱き締めたまま課長を睨む



課長は課長でニヤニヤしながら「ふーん?」なんて言ってるし……


あの…恥ずかしいんですけど


「なんだお前らそういうことだったのか。あっ、一ノ瀬と椎名帰っていいぞ。」

「えっ……でもまだ片付けが…」

「そんなのは俺たちでやっておく。ご褒美だ、ご褒美。」


「あ、ありがとうございます。」


帰っていいのかな……?


「優月、行くぞ。」


「えっ…う、うん。」


すでにシズマサは遥か遠く
まぁいっか


私は早足でシズマサの元に向かった