ピピッ

「39.7度。完璧風邪だね。」

「風邪、じゃない………。悪魔、は風邪引かない………。」


見た目と違ってというか、思った通りというか……
やっぱり倒れましたよ、この悪魔さん。
昨日寒いのにずっと外にいたからだと思われるんだけど……やっぱりそれって私のせいだよね………?


「もう……。風邪じゃないなら何なの?」

「人間、の、姿で、いすぎたから…。少し休めば、治る……。」


ふ〜ん……?

「疲れただけなのに熱でるの?」

「……………。」


つ ま り

「風邪も引いてるってことね?」

「別に………。」

「とりあえず、大人しく寝てて。水枕作って来るから。」

「いらない。いいから会社に行け。」

「いいの。今日は休んだから。」

「は?」

「だから大人しくしててね。」

「俺のことは放っておいて仕事をしろ!!何のために延ばしたと思ってるんだ!!」

「仕事よりもシズマサのほうが大切に決まってるでしょ!!」

「なっ………!」


珍しく大きな声を出したかと思えば何を変なこと口走ってんのよ。

シズマサの額に手をのせると微かに汗ばみ熱くなっていた。

「ほら、怒鳴るから熱上がってるじゃない。それにご心配なく。仕事は家で出来るから。」


私は部屋からそっと出た

「あのバカ………。」

シズマサがそんなことを呟いているとも知らずに。