ぎゅっと目を瞑っていたけれど、想像していた衝撃はいつまでたってもやって来なかった。


「目、開けて。」


そうシズマサの声がしてそっと目を開けた。


「うわぁ………」


眼下には夜景が広がっていた。

「きれい……。」

「嬉しい?」

「うん…!ありがとう。」

シズマサは照れているのかちょっと頬を紅くしていた

「人間の女は夜景が好きだって聞いたから。」

ふふっ。
シズマサらしい。

「ありがとね、シズマサ。」

「ん。コーヒーのお礼。」


私はそれからしばらくシズマサの腕の中で夜景を眺めていた。