声のする方に視線を向けると メガネをかけたオトコの人があたしの前に立っていた。 あたしの前は空席だけどでもさっきまで何かをしていたような形跡が残ってる。 ノートとたくさん積まれた教科書と参考書。 その人が本を持っているところをみるとどうやらその人があたしの前に座っていたらしかった。 「あの、これがあたしの所に転がってきて・・」 そういうと 「あぁ、悪い」 低い声でそう謝ると差し出したシャーペンを受け取った。 「あの、そのシャーペンもらいものですか?」