「来年からはみんな受験生でしょ?
だから今のうちからみんなの考えてること、みんなのお父さん、
おかあさんが考えてることを聞きたいの、そして少しでも力になれたらって
思ってるの」



さすがは先生。

その言葉に反論したクラスの人は誰もいなかった。



とはいっても・・


あたしは実家に帰らなくちゃいけなくなる。

まぁ久しぶりにお父さん、お母さんの顔をみれて嬉しいんだけど。


「柚子、あんたどうするの?」

「なにが?」




お昼休み、お天気がいいのを理由にあたしたちは屋上でランチタイム。

暖かいかぜが心地よく流れて頬をなでる。

「家庭訪問よ」

あーそれか・・

「その時は一端、家に帰るよ」

「だったらいいけど」

「なんで?」

「ほら、もし北原さんと会っちゃったりしたらいろいろ面倒じゃない?」

あ、そっか。