あれから結局おじいさまとは一度もお会いしていない。


引っ越しや進級とか、ばたばたしてたっていうのもあるけれど。


おじい様の話をした時の翔さんはいつも逃げたそうな表情をしていて。


だからちっとも取り合ってくれなかった。



確かに翔さんのおった傷は深い。


それでもいつかは仲直りして欲しい。

だってそれが家族でしょ?


家族は他人じゃないもん。

絆はより深いはず。


「余計なこと考えてる?」


いつの間にか電話が終わっていて翔さんがあたしを見下ろしている。


「ううん、何でもないよ」


首を左右に振って否定するけど

「君は嘘がヘタだな」

小さく笑って頬にキスを落とした。


「続き、したい?」


まただ。

笑いながらも少しつらそうな顔。


つらいのにどうしてそんな風に笑えるの?


「翔さ」

「柚子おいで」


その表情が切なくて悲しくて

つい


ぎゅーっときつく抱きしめるあたしに

「なに、どうしたわけ?」


翔さんの声が聞こえてあたしを抱きしめ返す。


一度離れると

また視線が重なって瞳を閉じた。


ピーンポーン!!!


玄関のチャイムが勢いよく鳴り響いて

あたしも翔さんも驚いて体を離れる。


「またか」

「だ、誰かな?」

慌ててベッドから降りてドアノブに手をかけようとしたあたしに