嘘だよね?

冗談だよね?


「それとも家庭裁判でも起こす?俺は別に君に慰謝料を払っても構わないよ。
それで君が納得できるならな」


次々と刺さって来る言葉。


「お前、何言ってんだよ」

「君もさ。今更なに善人ぶってるわけ?」

「お前」

「どうする?柚子。君が決めていい。どうしたい?」


そこにはあたしとやり直すっていう決定権はないの?


あたしへの気持ちは一ミリも

残ってないの?


呆然とするあたしに


「遅くなってごめんなさい」

後ろから女の人の声が聞こえた。

その人は慌ててあたしを通りこして翔さんの隣に行く。


絡ませた腕は

その場所はあたしの場所だったのに。




なんで、どうして

「志保、さん」


志保さんがここにいるの?