年上王子様とのアリエナイ××②


そんなの

「イヤ!」

「俺も!!」


がたんと席を立つあたしと祐くんに

「全く仕方ないな」


中村さんまで立ち上がった。



「何か案はあるの?」


お店を出て歩き出すあたし達に中村さんは

「あれだよ」

そう言って商店街のお店の窓に貼ってある一枚の紙に指を差した。


「あれって..」

「二人きりになるには絶好のチャンスだろ?」


中村さんが差したのはお祭りのポスター。


そっか、


うちの地元の夏祭りにはあるジンクスがある。


両想いの二人が手を繋いで神社まで目を瞑って上る、

そして今の時期にだけ置いてある一枚の紙に二人の名前を書いて
奥にある植えられてる木につけるんだ。

それが出来た時初めて二人は本物の恋人同士になって、

いつまでも幸せになれるらしい。



これだったらきっと

うまくいくかもしれない。


でも..

「理恵ちゃん..行くって言ってくれるかな?」


急に不安になってしまう。


だってあたし達昨日喧嘩したばっかりだし。


「それをやるのが友達の役目だろ?」