「そんな事言われたって」
「ほら、言ってみろよ」
「嫌です!!」
「柚子?」
「イヤです」
そんなやりとりをしているうちに学校の門の近くまで着いてしまった。
なのに
なぜか分からないけれど中村さんまでついてくる。
「あの、中村さん?」
質問するあたしに
「なに?」
普通に答える中村さん。
絶対にあたしが聞きたいこと分かってるくせに。
「もう!!いい加減に」
「いい加減にしてよ!!!」
あたしと重なるような言葉と大きな声に
あたしと中村さんは同時に顔を見合わせる。
朝から修羅場?
「なんだよ、昨日のメールは!」
その声の方向に視線を向けて見てみると
すぐ近く、本当に門の所で男の子と女の子が喧嘩してる。
何処かで見たことのある制服と声。
「そのままの通りよ!もう疲れたの!帰ってよ!」
まるでドラマのワンシーンみたいなやりとりをしていたのは理恵ちゃんだった。


