相談、なんて出来るわけないんだ。
俺はあの子を守る立場なんだから。
「それと残念なお話が..」
「例のアメリカの件か?」
「いえ、中国の方です。それとロンドンからも..」
「あては外れたか」
「お役に立てず申し訳ございません」
くそ
「そうか」
もう俺に出来る事はないのか。
会社を救う手はもう..
俯きながら考えて思いついたのは
残念ながらも最悪な案。
まさか俺がこれを選ぶなんてな。
我ながら自分に呆れる。
「榊、すぐに車を下に回してくれ。出かける」
席を立って上着を羽織る。
でももしこれで会社が救われるのならば
あの子を守れるなら
あの子の家族をまもれるのなら..
俺はそれでいい。


