年上王子様とのアリエナイ××②



相談、なんて出来るわけないんだ。

俺はあの子を守る立場なんだから。


「それと残念なお話が..」

「例のアメリカの件か?」

「いえ、中国の方です。それとロンドンからも..」

「あては外れたか」

「お役に立てず申し訳ございません」


くそ

「そうか」


もう俺に出来る事はないのか。

会社を救う手はもう..


俯きながら考えて思いついたのは

残念ながらも最悪な案。


まさか俺がこれを選ぶなんてな。


我ながら自分に呆れる。


「榊、すぐに車を下に回してくれ。出かける」


席を立って上着を羽織る。



でももしこれで会社が救われるのならば

あの子を守れるなら

あの子の家族をまもれるのなら..


俺はそれでいい。