年上王子様とのアリエナイ××②



電話を切った後、窓から見える景色に視線を向けると
後ろから榊が声をかけてきた。

全く、人の電話まで盗み聞きなんて。


「何が?」

とぼけたフリもさすがに榊には分かってるだろう。

それでもそこまでしたいのは気分を紛らわせたいのかそれとも・・


「会社の事でございます。何故説明をしないのですか」

「説明、ねぇ」


「本物の夫婦であるなら隠し事は」

「分かってるさ」

「でしたら..」

「ストップ」

榊を制して椅子に座る。



「翔様、柚子様は、あなたの奥さまはそんなに弱い方ではないと思いますが」

「分かってる。でも..」

そこまで言って口を閉じる。

「翔様・・」

「一度相談してみたらいかがですか?」

「あぁ、そうだな」