知らなかった、理恵ちゃんがそんな事を想ってたなんて そこまで..好きだったなんて.. 「理恵ちゃん..」 誰もいない住宅街に あたしの声がぽつりと寂しそうに響いていた。 「はぁ」 「何ため息ついてるの?」 夜になってお風呂もご飯も終わらせて落ち着いた頃、 翔さんから電話がかかってきた。 「ちょっと色々あってさ」 「言ってごらん」 電話越しに聞こえてくる翔さんの声も今だけはどきどきできない。 「言ったってどうせ」 「柚子?」