2056年8月1日原子力研究所 その日は朝からやたらと大きな機械が二つ作動していた。一つはいわゆる核兵器。もうひとつはその逆、つまり対核兵器用兵器。今日その対核兵器用兵器の性能試験が行われるのだ。仕組みは簡単、爆発した核を理論上原子の動きを止める絶対零度の液体で包み込むのだ。うまくいけば核は消滅する。うまくいかなかったら僕達が消滅する。実はこれには裏の試験もある。零度耐久スーツだ。もし成功してもスーツが絶対零度の温度に耐えきれなければアウトだ。そして運悪く僕達原子力研究所核兵器対策班がスーツのテストに選ばれたわけ。嫌になるよ。