俺はそのまま通りすぎようとするとガシッと遠藤に腕を掴まれた。


「あの…先輩ごめんなさい!!

私、この人が好きなので!!」

はい!?

「そっか…じゃあ俺は先に戻るから、あとは二人で…」


そう言ってモテる先輩は帰っていった。

「………」


「………」

二人の間には、静かな風が流れた―――。



「あの…大谷君…あ、ありがとう…」


「良かったよ。遠藤の役にたてて。それじゃ…」


俺は屋上へと向かう。

「ま、待って!!」