「そっかぁ…やっぱり追いかけられちゃったか。

何とかして伝えたかったけど、メアドとか知らないから…」

そう言って遠藤香代子は、しゃがんで落としたプリントを拾い始めた。

慌てて俺もそれに加わる。


「これ…授業で使うプリント?」


「うん。先生に頼まれて…。」


「じゃあ急いで拾わなきゃ‼」


「平気だよ〜。それにこうして息抜きできて嬉しいし。」
遠藤は笑いながら手をゆっくりと進める。


俺の手もつられてゆっくりになる。