意地悪てぃーちゃー

「夜分遅くにすみません。少し話し込んでいたら、こんな時間になってしまって…。本当にすみませんでした。」


井澤はそう言って、頭を下げていた。
井澤は悪くないのに…


「井澤先生。まぁ顔上げてください。先生は何も悪くないでしょ?本間、心が迷惑掛けてすいませんねぇ。」


あっ母さんわかってたんや。
井澤はニッコリ笑っていた。


「いえいえ。僕の監督が至らなくて…。僕にも責任があるんです。こちらこそすみません。」


うちはそんな井澤を見て、笑いが止まらんくなった。
気付いた時には、噴出してた。


「ぷっ…。先生謝り過ぎやって。うちの親怒ってないし。」


「あんたは反省しなさい。井澤先生も、もう大丈夫ですよ。」


母さんも優しい笑みを浮かべていた。
井澤もしだいに笑顔になっていた。


「すみません。ありがとうございます。では、僕はそろそろ失礼します。」


「こちらこそ、ありがとうございます。心。見送っておいで。」


うちは母さんによって、強引に外に見送りに行かされた。
まぁお礼も言いたかったしちょうどいいか。


「今日はありがとう。気をつけて帰ってなぁ。」


「どういたしまして。おう。あっちゃんと勉強もしろよ。ほんで、生徒会の日数減ったから、またメール入れるわ。」


減ったんか~。
まぁええけど…。


「了解。じゃぁおやすみ。」


「おう。おやすみ。」


うちと井澤は手を振って、わかれた。
うちは家に入ると、井澤のおかげで母さんに怒られずにすんだ。