意地悪てぃーちゃー

荒木ちゃんの言うてる意味がわからんかった。


荒木ちゃんには一体何があったん?


「高橋先生は、お前が本間に好きやから突き放したんや。お前には可能性がある。それを潰したく無かったんちゃうか…?好きでも手放さないとアカン事があるんや。」


うちは泣きそうやった。
話をする荒木ちゃんが、すごく悲しそうやったから…。


「北沢…前に進め。自分の気持ちに素直になれ。高橋先生と井澤先生は違うぞ。」


「うん…。荒木ちゃん。なんでそんな悲しそうなん?荒木ちゃんは一体、うちを誰と重ねてるん?」


うちはただ気になった。
荒木ちゃんは一体、何があったん?


「俺か…。俺も高橋先生と同じ事をした。北沢見てたら、たまにアイツと被んねん。ごめんな。」


「荒木ちゃん。それは逃げやで?好きやから手放すってのは、無しやと思う。突き放された方の気持ち考えた事ある?まだ間に合うよ。」


そうや…
それはただの逃げや。
まだ間に合うよ。


「俺にはもう会う資格無いよ…。北沢ぁ。お前こそ、そろそろ認めろ。」


「何言うてるん?意気地無しやな~。何も考えんと、会いに行ったらええやん。ちゃんと向き合ったらええやん。自分の気持ちだけ優先すんな。」


気がついたら、うちは荒木ちゃんに感情むきだしやった。

荒木ちゃんも少しびっくりしたような表情を浮かべて、笑顔になった。


「ありがとう。目覚めたわ。今から行ってくる。北沢もちゃんと向き合え。わかったな?」


それだけ言うと荒木ちゃんは生徒会室を出て行った。