意地悪てぃーちゃー

「井澤先生なかなかやな~。それで顔赤なる北沢もおもろい。もう、見てて初々しい。」


「意味わからん。絶対、楽しんでるやろ?もう知らん。」


うちはそっぽを向いた。
荒木ちゃんの言うてる事もわからんし、頭こんがらがる。


「北沢ぁ。ごめんごめん。そのうちわかるわ。」


「うーん。まっいいや。」


そんな話をしているうちに、あっちゅう間に空港に着いた。
バスから降りると、荒木ちゃんは一目散に井澤の所に行った。


井澤はクラス全員に搭乗券を渡して、荒木ちゃんと話していた。
うちは柚子と舞と搭乗までの時間、ずっと話していた。


しばらくして、搭乗の時間になった。
行きと同じように飛行機に乗った。

うちの横はやっぱ井澤で、なんかちょっと緊張した。


「心。どうした~。しんどいか?」


「んっ?大丈夫やで。先生こそもう大丈夫なん?」


平常心平常心。
うちは昨日の事は無かったかのように、話をしていた。


「おう。心のおかげで治ったわ~。あっそんなに俺が心配かぁ?心は本間、俺のこと好きやな~。」


「はいはい。んなワケ無いし。先生、やっぱまだ熱あるんちゃう?そんな変な妄想して。」


「ありませーん。心ちゃん冷たいわ~。昨日はやさしかったのに。」


うげっ。
無意識なん?
さらっと昨日のこといいやがって…。


「別に。昨日の看病代は高くつきますよ~。」


「顔真っ赤やけど?しゃーない…なんか奢ったるわ。考えとき。」


「真っ赤ちゃうし。はーい。」


井澤はそんなうちの頭を、ポンポンっと叩いた。