意地悪てぃーちゃー

「・・・心。おいで?」


井澤に手招きをされて、うちは井澤のベッドサイドに座った。


「あっこれアイス。食べる?」


「ありがとう。ん~せっかくやから、食べよかな。」


井澤はうちが持ってきたアイスを、食べはじめた。
うちはその様子を、じっと見ていた。


「心?あ~ん。」


強引に入れられたアイス…。
無駄に騒ぎだすうちの心臓。


「心、顔真っ赤。…可愛い。おいし?」


「あっはい。」


井澤はそんなうちを見ながら、爆笑していた。
いやいやいや・・・
やっぱ熱で、おかしなってんのかぁ…。


「しーん。絶対、他の奴の前でそんな顔すんなよ。わかった?」


「・・・はーい。ほんじゃ、そろそろ帰るな。お大事に。」


うちが立ち上がって歩こうとした瞬間、井澤に腕を引っ張られてうちは体勢を崩した。
そして、井澤の腕の中に居た。


「心。おやすみ。」


井澤がうちの耳元で囁いた。
しばらくして、井澤の力が緩んだ。


うちはおやすみとだけ言って、部屋を出た。
まだうるさいうちの心臓…。
体に残る井澤の温もり。


・・・熱のせいよな。
きっと、そうよな。


うちはそんな事を考えながらも、部屋に向かっていた。


……途中やった。


「しーーーーん。」


誰かに後ろから呼び止められた。