意地悪てぃーちゃー

「心…。なんか怒ってる？」


そんな時に限って、隣のコイツは話しかけてくる。
それもウザイ程に。

うちが黙ってたら、隣から顔を覗き込むように井澤が見てきた。


「心。気分悪いか？顔色悪いな…どうした？」


「いや…別に大丈夫。」


「…ったく。まぁちょい寝とき。俺が何かしたんやったら、悪かった。」


井澤は少し切なそうな表情を浮かべながら、頬杖をついていた。
うちはそんな井澤に、何も言えんかった。


そんな空気のまま、飛行機は飛び立った。
あぁ～気まずい。


飛行機が飛んでしばらくしてから、ベルト取っていい合図が出た。
一気にザワザワしだす機内。
うち等の席だけ、やけに静かで別世界のようやった。


しばらくしてさっき井澤を囲んでた子達が、井澤の所にやって来た。


「井澤せんせぇ。なんで北沢さんと座ってるん？亜美と座ろう。」


「あっ亜美ズルイ。うちと座ろう。」


「２人ともズルい。あたしと座ろっ。」


隣で鬱陶しい。
お前等普段そんなんちゃうやろ。

うちはそんな事を思いながら、窓の外を眺めていった。
まっ…何も見えんけど。


「お前等はクラスちゃうやろ。用事ないんやったら、自分の席戻れ。」


「えぇ～。北沢さんばっかズルい。」


・・・はっ？
出来るなら、変わって頂きたい。