意地悪てぃーちゃー

いつもと変わらん井澤や…。
うちは安心した。


「はぁ。

そう言う所、全然変わらんなぁ…。」


「強がりやねんから…。


そういう事でええな?」


「うん。大丈夫。」


うちは笑顔で答えた。


そんなんしてる間に、もう家の近くやった。


「もう心の家かぁ。

おっし。
心!手貸せ。」


うちは言われた通りに、井澤に手を差し出した。

井澤はそのままうちの手を握って、ダウンのポケットに繋いだ手を入れた。


「はっ…?
先生何してんのさ?」


「んっ?
手繋いでるだけやけど…」


結構サラっと言いますね…


「まぁ…
細かい事は気にすんな。」


井澤が歩きだして、うちは引っ張られるように歩き始めた。


そのままたわいもない話をしてるうちに、家の前に着いた。


「先生…ありがとう。
明日は、最高の卒業式にしよな。」


「おう。

心?
また明日な。」


井澤は一瞬繋いでる手に力を入れた。


「また明日。
んじゃぁ気をつけて。」


うちは井澤に手を振って、家の中に入った。