意地悪てぃーちゃー

「ありがとう。俺、何もしてへんのに…。こんな未熟な担当でごめんな。本間にありがとう。」


『ありがとうございました。』


うち等は全員で頭を下げた。


「感傷に浸りたい所やけど、みんな教室帰るぞ~。本間に解散。全員走れ。」


とは井澤に言われたものの、うちは走らず歩いていた。

だって担任が井澤なワケやし、大丈夫やろう。


「おい。なんでお前は歩いてんねん。」


後ろからそう言われ、振り返ると井澤がいた。


「いやっ…ちょっと休憩休憩。今から走ろ思っててんで…。」


必死の言い訳…
井澤の顔がどんどん意地悪な笑顔になって来ていた。


「へぇ~。心ちゃんは俺に嘘つくんかぁ。ふーん。わかったわかった。」


「いやいやいや…先生嘘じゃないよ。さて走ろかな。んじゃ教室で。」


これ以上話してたら、ボロが出ると思ったから走ろうとした瞬間…

グイッ

井澤に手首を掴まれた。
げっ…
これはヤバいんちゃうの?