意地悪てぃーちゃー

「今日だけ特別な?さっ荷物まとめて帰るぞ~。」


「やった~。先生ありがとう。」


うちは私物の山をまとめて、井澤と一緒に生徒会室を出た。


「…ったく。危なっかしいヤツ。ほれ帰るぞ~。」


井澤はうちの持っていた荷物を半分持って、歩きはじめた。


「なんか先生って優しいんか、意地悪なんかわからんなぁ。」


「はぁ?俺優しいし。そんなん言うんやったら、全部持たすぞ。」


井澤は意地悪な笑顔を浮かべながら、うちに近付いて来た。


「ごめんなさい。先生は優しいです。」


「素直でよろしい。しゃーなし持っといたろ。」


井澤はそう言うと、再び歩き始めた。


そのまま駐車場に着くと、井澤の車に乗った。


そして車は動き始めた。



「心?もう生徒会終わりやな。ほんで、あっちゅう間に卒業か~。」


「そうやな。先生寂しい?」


柄にもなく聞きたくなった。
うちは寂しいよ?


「んっ?そりゃ寂しいよ。俺は3年間この学年見てきたからなぁ。それにお前等は、俺の初めての生徒で卒業生になるからな。」


あっそっか…。
そう言えば、井澤って新任やったな。