意地悪てぃーちゃー

心はそのまま泣きはじめた。
俺は車を止めて、ずっと心の頭を撫でていた。


しばらくすると、心の涙はだんだん落ち着いた。


「心…一人で抱え込むな。そんな姿見たない。」


「先生?ごめん。ありがとう。」

心はさっきまでの泣き顔じゃなくて、笑顔を俺に向けた。


「…高橋か?一体、何があったんや?」


「うん…。


高橋ちゃん振ってきた。
でもうちは、高橋ちゃんに教師失格まで言わせてしまった…。
もうわからへんよ…。」


それで泣いてんのか。
なんも気にする事無い。
お前は優し過ぎるわ。


「…………心。


高橋の事なんか、早く忘れろよ。
なんも気にするな。
心は心の思うがまま突っ走れ。」

俺の本心やった。
高橋の事忘れて、お前は前に進め。


「先生…。ありがとう。
わざわざごめんな。」


俺はそんな心を、すげぇ愛しく思った。


「俺は…………………



やっぱなんも無い。
心も泣き止んだし帰るか。
てか、飯食ったか?」


気持ちを伝えてまいそうにやった。
俺は心の前やと、教師である事を忘れてまう。