意地悪てぃーちゃー

保健室に入ると、保健の先生は居らんくて井澤に体温計を渡された。


「心ちゃん。大人しく測りましょうね~。」


「気持ち悪っ。」


うちは体温計を受け取って、脇に挟みながら井澤と笑っていた。


「うわっ。お前、俺は傷付いたぞ。ガラスのハートが割れたわ。」


「はいはい。ごめんごめん。強力接着剤で引っ付けとき。」



そんな中、体温計の電子音が鳴った。



・・・・・・38.5℃

上がってる…
朝よりも上がってる…。


「38.5℃?!冷えピタ強制やな。しんどいとかの症状は?」


井澤は冷えピタを貼って、うちに問い詰めた。
症状ねぇ…。


「たまにフラってするぐらいかな。やから大丈夫やって。」


「大丈夫ちゃうやろ。目もウルウルしてるし、やっぱ帰るか?」


帰るんだけは嫌やった。
やっぱ最後まで居りたい。


「嫌や。お願いやから、最後まで居らして…?」


「はぁ…わかったから。そんな目で俺を見るな~。午後の部まで、20分ぐらいあるからちょっと寝とけ。起こしたるから。」


そう言った後に井澤はなんかブツブツ言うてるけど、よく聞きとれんかった。