「ひ、姫さまっ!!そんなに簡単に決めてしまってよろしいのですか!?この者の素性もよく分からない上、父上様になんとご説明を申し上げればよいのやら……」

猫がしゃ、しゃべったぁ〜っっ!!!!!

「安心して、鶴丸。陸に似ている者が、悪者のハズがないわ。私はこの者と夫婦になることに決めたの」

「……って!話を勝手に進めてるんじゃねぇ!!俺はまだ十六だし、法律上結婚はできねーんだよ」

顔はかわいいかもしれないけど、なんて強引なやつなんだ。おまけに着物(十二単?)着てるし、彼女は一体……

「姫さま、姫さま!!どうやらここは我々が住んでいた平安の世と違うようでございます」

平安……!?
この二人、平安時代から来たのか?
それなら十二単も納得できる。

「もしかして、お前たちは平安時代から来たのか?」

「そうだと言っておるではないか!」

俺、この猫にとことん嫌われているな……
すげ〜睨まれてるんですけど。

「と……なると今から約千年も昔になる。ここは西暦2011年の日本だ」

「そうか……ならば仕方ない」

諦めてくれたのか……な?

「今日から私たちは『許婚』よ!!それなら歳は関係ないでしょ!私の名前は『ゆず』、こっちは『鶴丸』これからよろしくね!!」



許婚……、、、

ああ、神様。

これも『運命』と呼ぶのでしょうか……?