俺はおそるおそる二階へ上がる。

さっきの大きな音は、俺の部屋の方から、
聞こえた、

ような、

気が……





ガチャ





「あイたたたた……どうやら助かったみたいね」



「お前は誰だ?」



扉を開けると目の前には見知らぬ女の子と、黒い猫が一匹居た。


「……」


お互い暫くの沈黙。

俺自身もここで起こっている事実を、一生懸命理解しようとしていた。



「り、陸……?」

先に言葉を発したのは彼女の方だった。

「……えっと」

「会いたかったよぅ!!!」

俺は見知らぬ彼女に抱きつかれ、
頭の中はますますパニック状態に陥っていたのだった……