「蒼空は蒼空、陸は陸。見た目だけだったら私は蒼空のこと好きになったりしないよ」
「……ゆず」
なんだかちょっとだけほっとしたような、
「こういうのって、一目惚れって言うだよね」
「あ、ああ……」
自分が居て、
「でも、これだけは正直に話すね!この恋のきっかけは、陸に似ていたせいも少しだけある……かも。怒った?」
「いや、全然。そっか……それだけ聞ければいいや」
平安時代であろうが、現代であろうが、大好きな人と一緒に居たいと言う気持ちは同じ。
ただ平安時代は恋が自由にできなかっただけ。家柄とか政治的な陰謀とか……堅苦しい制約がたくさんある。
そんな中で、自分の信念を貫くのは並大抵の努力ではできないハズ。
だからこそ、前よりも俺はゆずのことがさらに、
「私は蒼空が好き!大好き!!」
好きになってゆくのを感じていた。