ガラガラ
教室に入ると、またもや突き刺さるような視線があたしに向けられた。
「空、自己紹介してくれ。」
「…朝霧空-アサギリ ソラ-。よろしく。」
あたしがそう言ったと同時に、
「やっべ超かわいい~」
「彼氏いますか~?」
そんな声があちこちから聞こえてきた。
…くだらない。
所詮男なんて、女とヤる事しか考えてない。
だから嫌いなんだよ。
「空、席はあそこな。」
岳兄の指差した方を見てみると、窓側の1番後ろだった。
あたしは自分の席に向かい、席についたらすぐ外を見た。
空は好き。
けど、あたしの名前の“空”は大嫌い。
空と“空”は、全然違うんだ。
空みたいに自由になりたい。
それが、今1番の願い。

