「10~9~8…3~2~い」バンッ!!
「はぁ…はぁ…てんめぇ拓!お前は俺を殺す気か!!」
本当に10秒で来た岳兄。
「って空は?!……あっ!空ぁ!!」
あたしに気付いた岳兄は、さっきの拓に言った低い声じゃなくて、嬉しそうな声で抱き着いてきた。
「ぐぇっ…ちょ゛…がくにぃ…ぐるじい…」
マジで酸欠になるって…
あたしが苦しそうに言うと、少し不満そうな顔だったけど離してくれた。
…やっぱり岳兄は優しいね。
昔と変わらない優しく接してくれる岳兄や拓に、胸が熱くなった。
だって本当なら。
あたしは恨まれる存在なのだから。

