「いでっ!ご、ごめんて空~!!」



陽が涙目で訴えてきた。


か、可愛いっ。




「…もういいよ。」


「ほんと?!…空~」




陽が抱き着いてきた。


…何だこの可愛い生き物。



なぜこんなに可愛いんだ!



あたしは陽の頭を撫でてあげた。



陽は嬉しそうに笑った。



あたしも同じように笑った。


陽、可愛い~



あたしは呑気にそんなことを思っていた。







――…だから



キョウが辛そうにあたし達を見ていたことも


キョウの気持ちも


これからあたしに起きることも



この時はまだ、気付かなかったんだ―――…………