響け、空に―

「でも…俺はあいつを好きだったらダメなんです。」


「何で?」


「……最終的にはあいつを泣かせることになるから。」

そうだ。

俺は死んでしまうから、もし気持ちを伝えたとしても、残された笑美子は……


「あのね、泣くかどうかは本人が決めることでしょ?

それに女は強いんだから!!」


先輩は誇らしげに胸を叩いた。

「そっか……そうですよね。

先輩!!ありがとうございます!!ちゃんと笑美子に伝えようと思います。

それと…すみませんでした。こんなことに巻き込んで…

『好き』とか言っちゃって。」


「別にいいよ!!お礼はアイスクリームで!!」


「ははっ!!わかりました。今度買ってきますね!!じゃあ失礼します!!」


「はーい」

先輩に一礼してから音楽室を出て、教室に向かった。